無呼吸症候群

無呼吸症候群について

夜間睡眠中に呼吸停止を繰り返す病気を睡眠時無呼吸症候群といいます。本人は気づかずに睡眠中の”いびき”が停止して家人が発見することが多く、昼食後の強い眠気、朝に疲れが残るなどがある方は要注意です。太った中年男性以外にも東洋人は顎が小さく気道が狭いため痩せている人や女性・子どもでも発症します。

閉塞性睡眠時無呼吸の原因

夜間睡眠中に呼吸停止を繰り返す病気を睡眠時無呼吸症候群といいます。本人は気づかずに睡眠中の”いびき”が停止して家人が発見することが多く、昼食後の強い眠気、朝に疲れが残るなどがある方は要注意です。太った中年男性以外にも東洋人は顎が小さく気道が狭いため痩せている人や女性・子どもでも発症します。

気道が狭い

太った中年男性は気道に脂肪がつきます。また東洋人は顎が小さく気道が狭いため痩せている人や女性・子どもでも閉塞性無呼吸を発症します。

舌の衰え

舌も筋肉でできています。舌の筋肉は、年々衰えて、弱く薄くなってきます。薄くなった舌は、口腔内にしっかり収まらず、後方に落ちて気道を塞ぎます。

口呼吸

顎の筋力が弱ったり、鼻づまりがあると口が開いてしまい、しっかり舌を口腔内に収めることができないため、舌が後方に落ちてしまいます(舌根沈下)。更に高齢者に多い舌が下方に落ちてしまう舌根下垂があります。
また泥酔すると舌や顎の筋肉がゆるみ更に気道を閉塞します。口呼吸されている方は起床時には、口がカラカラに渇いてしまいます。

原因には個人差がありますので、どれが原因か見極めることが大切です。また閉塞型と別の原因に呼吸中枢から呼吸指令が滞る中枢型無呼吸症候群もあります。

睡眠時無呼吸は、朝の血圧が高い早朝高血圧、血圧の薬が効かない、成長ホルモン低下による肥満、糖尿病等の原因になり、また数年後には狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈、脳卒中、突然死を起こしやすくなります。慢性の酸素不足により代償的に赤血球が増加し多血症の原因にもなります。

脳の酸素欠乏によりうつ病、認知症のリスクは2倍なると言われてます。またうつ病にも高率に睡眠時無呼吸症候群を併発しています。重症の睡眠無呼吸症候群を8年間放置すると4割の方が亡くなるという報告があります。

高血圧の30%を占める二次性高血圧で最も多い原因が睡眠時無呼吸症ともいわれています。また複数の降圧剤投与でも血圧が下がらない難治性の高血圧の最も一般的な原因疾患とされてます。

日本高血圧ガイドラインでは、2009年から、高血圧の原因疾患として、睡眠時無呼吸症の存在が明記されました。

既に心不全を発症している人についても、睡眠時無呼吸症の合併が予後の危険因子のひとつであることがわかり、その診断や積極的治療に注目が集まっています。

専門領域では、このように一般的な関連性として認知されていますが、すべての医療者の間で十分に認識されているとはいえません。
治療の第一歩は早期発見・早期治療です。早めにチェックをして、適切な治療を始めましょう。

主な症状1)大きないびき
2)寝ている間に息(いびき)が止まる
3)熟眠感がない
4)昼食後など日中の強い眠気 、会議中の居眠り
5)朝のだるさ・頭重・頭痛・喉の渇き
6)夜間の頻尿・覚醒・悪夢を見る
7)起床時の血圧が高い、降圧剤を飲んでも乱高下してなかなか下がらない
8)赤血球の増多(多血症)等
9)寝起きに口が乾く

上記の症状のある方は睡眠時無呼吸である可能性がありますのでぜひご相談ください。検査は睡眠時ポリグラフィの機械を貸し出ししますので、自宅で2日間、睡眠の時だけ取り付けます。

ポリグラフィー検査

当院では、睡眠時無呼吸症候群の重症の方を除き、できる限り持続陽圧呼吸器(CPAP)を使用せずに内科的に治療を行っています。寝る姿勢改善、舌根沈下予防運動、口テープ療法、嚥下障害改善運動など行い、終夜血液酸素濃度測定器で治療判定いたします。喉頭CT検査による診断も行っています。

中枢型睡眠時無呼吸症候群の軽症の方には呼吸促進薬物療法を行います。心不全合併では心不全治療も行い
必要に応じて二相式気道陽圧呼吸療法(ASV)も行います。中等症の方には歯科医をご紹介しスリープスプリント(マウスピース)の装着、顎バンドなどの装着を行います。

重症の方には持続陽圧呼吸器(C-PAP)等による治療も行います。

耳鼻科的処置が必要な方には、適切な病院をご紹介します。また早朝高血圧を伴っている方には、内科的内服薬を処方します。

睡眠時無呼吸症候群の方は、不整脈や内科的疾患を合併しているかたが多く見られ、時に誤嚥性肺炎を合併されます。
早期のうちに肺CT検査で検査を行い、嚥下障害の運動療法、食事療法を行います。

対象疾患・診療内容

対象疾患上記の症状のある方のほか、多血症、心不全、心房細動などの不整脈、早朝高血圧、血圧の薬がうまく効かない方など
ポリグラフィ検査睡眠時の呼吸状態、体位、血中酸素濃度を測定します
終夜酸素濃度測定検査睡眠時の血中酸濃度を測定します

診察料金

検査費用1割負担 900円
3割負担 2,700円

※機械は3台ありますが、全部貸し出し中のときは、機械が戻り次第こちらから連絡します。

※この外来は院長の外来のみ診察、治療を行いますので土曜日の場合は、院長の外来日を調べてご来院ください。

検査にあたっての注意事項
①装着方法は事前に説明します。検査時間は就寝から起床までの時間です。2日間取り付けます。
②かぶれにくいテープを使用してますが、肌の弱い方は事前に保湿してからテープを張ってください。
③正しく記録されていないときは、もう一度測定をお願いすることがあります。
④機器本体は防水で、入浴もできます。リモコンは防水ではないので、水は厳禁となっています。

ご予約・お問い合わせ

検査は原則として予約制となります。
ご質問や、検査のご予約はお電話ください。